DEMAE |
出演者紹介 | |||||
高輪眞知子 (たかなわ
まちこ) |
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表川なおき (おもてがわ
なおき) 1994年、金沢市立工業高校卒業。能登中島演劇祭に参加後、数々の地域劇団を経て、鏡花劇場に参加する。また、金沢市民芸術村ドラマ工房アクションプランにて、講師の荒川哲生氏に師事し、98年、「海神別荘」(泉鏡花作、荒川哲生演出)、99年、「葵上」(三島由紀夫作、荒川哲生演出)に出演。同年、金沢市芸術ホール5周年記念公演「幽月」に出演。2000年、泉鏡花記念館開館1周年記念公演、朗読劇「湯島の境内」に出演後、高輪眞知子と共に「出前公演」を始める。泉鏡花記念館開館2周年記念公演、朗読劇「山吹」、5周年記念公演、朗読劇「海神別荘」に出演する。 |
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洞庭 静 (どうにわ
しずか) |
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STAFF |
制作 高橋栄一 竹原慶子 / 音響・照明 表川なおき 企画 高輪眞知子 / 構成 松田章一 |
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協力 |
燭台提供 林 定子 / 鍛冶師 河上知明 | ||||
後援 |
泉鏡花記念館 |
出前公演という地域演劇 表川なおき | ||||
鏡花劇場は、高輪眞知子の提案により、2000年より出前公演を始めました。「出前」という言葉は、これまで食文化の場に多く使われてきましたが、近年は、「落語の出前」「朗読の出前」「人形劇の出前」「漫才の出前」「出前コンサート」など、舞台芸術文化の場で使われる事が多くなりました。創作者は「お客様が劇場へ足を運ぶ」ことから「創作者自らお客様のもとへ向かい、舞台作品を提供する」という公演形態を生みだしました。もちろん「出前」ですから、お客様より注文を受け、配達(公演)を行います。私たち鏡花劇場の出前は、劇場へ足を運び、観劇の機会の少ない方々へ、文学作品の朗読劇、一人芝居をご覧頂き、演劇の面白さ、劇場の魅力に触れて頂きたく、今日まで続けさせて頂いております。 江戸時代、地域に住む町民にとって唯一の娯楽であったのが「歌舞伎」でした。金沢では浅野川、犀川の河原を中心に沢山の芝居小屋がありました。歌舞伎興行の日、町は人々で賑わい、芝居小屋は町民達の熱気で沸きかえり、河原は納涼の人出で賑わう。町民にとって芝居小屋は生活の一部、必要不可欠なものでした。しかし現代の日本の劇場文化は、メディアの普及に伴い大きく変化してしまいました。 私達の出前公演は、地域に点在する公民館、学校、図書館、飲食店、福祉施設、寺院などが「劇場」となり、今後も皆様と共に地域の劇場文化の創造を続けて行きたいと思っております。「地域演劇」とは、決して「都会と比べた地方の演劇」という意味の言葉ではありません。地域演劇は、地域に住む生活者である私達が、文化的な生活を送る為にあるものだと私は思います。また、私達の生活に欠かせない「文化」は、地域特有の風俗習慣と密接な関係を持ち、私達の心の中に脈々と息づいています。石川県は能楽や邦楽が盛んで、徳田秋声、室生犀星、泉鏡花らの文学と、ゆかりの深い地域でもあります。先人より受け継いだ石川の文化を次世代へ伝えていく事は私達大人の努めではないでしょうか。 出前公演という地域演劇、これは鏡花劇場の挑戦でもあります。 |
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